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万葉神事語辞典


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項目名 みもろやま
表記 三諸山
Title
Mimoroyama
テキスト内容 万葉集に21例、記に3例、紀に7例ある。ミモロの語源は「御室」(『万葉枕詞解』)とも「生諸木(ひもろぎ)」(『鐘の響』)ともされる。特に、ヒモロギ説は、雄略記の歌謡に「御諸の 厳白檮(いつかし)」、あるいは、万葉集に「斎(いつ)く三諸の梅の花」(19-4241)とあるように、神聖な樹木や特定の場所に咲く花をミモロと称したことに拠ると考えられる。ちなみに、ミモロとカムナビについては、「三諸の神奈備山」(9-1761)、あるいは「神なびの三諸の山」(13-3228)といった表現がみられるように、神の斎く場所として、ほぼ同義であったと考えられる。また、万葉集に「神奈備の 三諸の神」(13-3227)や「三諸の 神の帯ばせる 泊瀬川」(9-1770)とあり、ミモロは神のいつく場所であり、「木綿(ゆふ)掛けて 祭る三諸」(7-1377)、「祝(はふり)らが 斎(いは)ふ三諸」(12-2981)、と詠われるような神を祀る対象でもあり、「三諸は 人の守る山」(13-3222)でもあった。こうしたミモロは枕詞として機能する場合があり、「みもろつく」は「鹿背山」(6-1059)、「三輪山」(7-1095)といった特定の山にかかることから、鹿背山(京都府木津川市)や三輪山(奈良県桜井市)がミモロとして神を祀る対象としての山であったことがわかる。特に、三輪山は、雄略紀には「三諸岳」の神の姿を見たいと天皇が言ったために、少子部蜾蠃がその神の形である「大蛇」を連れてくる件があり(雄略記6年7月条)、ミモロと神の関係性を具体的に示す話ともなっている
西宮一民『上代祭祀と言語』(桜楓社)。上野誠「万葉のモリとミモロと―古代の祭場、あるいは古代的祭場―」『祭祀研究1』。
執筆者 城﨑陽子