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万葉神事語辞典


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項目名 けむり
表記
Title
Kemuri
テキスト内容 火が燃える時に出る気体。また、湯気や霧などにもいう。ただ、古代では、煙を神の活動と考えていたことが、記のスサノヲの神の「八雲立つ出雲」の歌からも知られる。雲がわき上がるのは、大地の神が活発だからであり、それを誉め称えるのが国見系統の呪詞である。舒明天皇が香具山に登り詠んだ「望国」の歌には、「国原は 煙立ち立つ」(21-2)と見られ、大和の土地神が盛んに活動していると褒める。この煙は大地から立ち上がる水蒸気であるが、これを炊飯の煙と理解することで、聖帝仁徳の話が成立した。また、春の若菜摘みの時には、「春日野に煙立つ見ゆ少女らし春野のうはぎ採て煮らしも」(10-1879)のように、あちこちでスープを煮る煙が見られ、これは炊煙である。あるいは、「志賀の海人の塩焼く煙風を痛み立ちは上らず山に棚引く」(7-1246)のように詠まれ、海人の焼く塩の煙に旅人は旅情を感じていた。
執筆者 辰巳正明