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万葉神事語辞典


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項目名 わかくさ
表記 若草
Title
Wakakusa
テキスト内容 ツマ(妻・夫)、ニヒ(新)にかかる枕詞。若草がみずみずしく柔らかなところから、若い妻や夫に譬え、「思ひつく」(13-3248)にもかかる。また、若々しいさまをいう。紀「若草の若くありきと」(斉明紀)など。「淡海(あふみ)の海」(2-153)や「磯城(しき)島の日本(やまと)の国」(13-3248)など国見のごとき表現も見られるが、内容の多くは恋人や妻(夫)との別離や、離れ離れとなっている寂しさを歌う。ワカは生命の芽吹く様を示し、美しく強い様を、「クサ」は物に通じることから、美しく良いものの意も。「草」はまた、記の「青人草」(神代記)と同じく人を示すものであろう。生命力にあふれ、青草のごとく増えるものであろうとする「草」のイメージがふまえられており、若々しい人の姿を示していると考えられる。10-2089、11-2361は七夕神話をモチーフにしたものであり、天の聖なる乙女である織女を扱った儀礼的な要素が含まれる。また、13-3336、13-3339は挽歌であり、これもまた儀礼的なものである。遠くに離れているいとしい相手の姿を、生命力あふれる青草のごとく魅力的に描いたものか。「青草を髪にくらむ」(11-2540)はその生命力を自身に付したものとも考えられる。
執筆者 毛利美穂