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万葉神事語辞典


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項目名 よすが
表記 所縁
Title
Yosuga
テキスト内容 寄りどころ。『槻落葉』に「寄処」(寄(よ)す処(か))とある。「余須可」(16-3862)とカは清音で、ヨスカ。『新古今和歌集』に「ふか草の露のよすがを契り」(4-293)、『源氏物語』に「姉なる人のよすがに」(帚木巻)等とあり、平安期以降はヨスガ。「人の身は得がたくあれば法の為(た)の因縁(よすか)となれり」(仏足石歌)と、仏道に入る機縁の意で用いられる。また、紀に「小墾田の家に(仏像を)安置せまつる。懃に、世を出づる業を修めて因(よすが)とす」(欽明紀)と、仏教に帰依する蘇我稲目が仏教を会得していくようすをあらわしている。因縁とは仏教の中心的な教えといえる。万物の働きによって自分が存在し、自分ひとりが自立して存在するものではないということを示している。自分は万物の中の一部であるが、自分の未来を形作るのも自分ゆえに、自分の言動に責任を持つという思想。因縁、因果の法則。「吾妹子が 入りにし山を よすかとそ思ふ」(3-481)は、2-165と同様、山を死んだ妻の「形見」とし、思い出すよりどころにするという意であるが、そこには死後の世界に入り仏のそばに行くという、仏教的な「因縁」の影響が考えられる。万葉集中3首とも亡き人をしのぶ際に登場。
執筆者 毛利美穂