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万葉神事語辞典


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項目名 ゆき
項目名(旧かな) いき
表記 壱岐
Title
Yuki
テキスト内容 九州・長崎県の壱岐島。対馬と共に、朝鮮半島と九州を結ぶ海上交通の要衝。『魏志倭人伝』に「一大国」(梁書、北史では「一支(いき)国」)、他に「伊伎国」(記)、伊吉島(国造本紀)、「壱岐島」(紀)とありイキと訓むのであろうが、万葉集に「由吉(ゆき)」(15-3696他)とあるのでユキと訓む。律令制下では、壱岐島(壱岐郡・石田郡)は下国、遠国(『延喜式』)。壱岐島には24座(大社7座、小社17座)が置かれ(『延喜式』)、島分寺法会の布施として供養料、最勝王経料、吉祥悔過料、仏聖供料が記される(『延喜式』)。「壱岐の海人(あま)の上手(ほつて)の卜部(うらべ)を」(15-3694)とあり、卜術(卜占)にすぐれた者が多く、その者が宮主となり、また伊豆、壱岐、対馬の卜術優長者が朝廷に仕えている(『延喜式』「臨時祭式」)。朝廷に仕えた壱岐島人・伊伎是雄(宮主従5位下)は卜部の者で、亀卜を行っていた(三代実録)。ユキの名義については、この島で斉忌(ゆき)の神祭が行われたとする説も(『古事記伝』)。防人が置かれた。雪連宅満(ゆきのむらじやかまろ)がこの島で鬼病(えやみ)で死去したが(15-3688)、この「鬼病」は都でも大流行した天然病であったとも言われる。
執筆者 毛利美穂