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万葉神事語辞典


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項目名 ゆき
表記
Title
Yuki
テキスト内容 雪梅、落花の状態を降雪に擬したもの、雪と白髪、雪と白布、早春の雪等があり、雪に対する感情は、神のごとき雪、賛美、瑞兆等が指摘できる。雪は、冬と春の部立にあらわれる景物であり、雪は春を告げる予兆であるため、雪を花に譬え、花を雪に譬える文学的な比喩が生まれたといえる。冬の季節感については、奈良朝以前(8世紀初頭以前)の人麿歌集非略体歌において季節行事を基盤として生まれ、家持に影響、平安朝初期(9世紀末)の歌合に定着したといわれる。謝恵連「雪賦」(『文選』)等、正月の大雪はその年の豊作の吉兆であるという中国の知識の影響が窺えるが、雪を「稲の花」として穀物の豊凶を占う信仰もその基底にある。長野県新野(にいの)の雪祭は、雪を稲の花の象徴とみた、稲の豊かな実りを予祝する年越えの神事。この祭の時に雪がない場合は、山から雪を持ってきて神前に供えなければ祭が行われないという。17-3925等の予祝儀礼は祈年祭となる。雪は、その美観のみならず信仰の対象であり、神の意思を示すものとして豊年の象徴でもある。雪の降る山(吉野、不尽、他)は霊山であり、神仙の集う須弥山や崑崙山にその発想の源流をみることも。漢詩文表現との関係が深い。
執筆者 毛利美穂
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明日香の雪