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万葉神事語辞典


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項目名 やまひと
表記 山人
Title
Yamahito
テキスト内容 仙人。聖武太上天皇が山科へ行幸した時に、臣下に歌で応えよといって「あしひきの山行きしかば山人の我に得しめし山づとそこれ」(20-4293)と詠んだ。これを受けて舎人親王が「あしひきの山に行きけむ山人の心も知らず山人や誰」(20-4294)と返している。山づとは山の土産品。山に行くと、山人が我に土産をくれたというのである。この山人は杣人(樵)などではなく、貴人を見抜いて迎えた者である。それは舎人親王の歌から知られる。親王は「山に行かれたという山人はどのような心なのかわかりません。山人とは誰のことですか。(本当はあなた様でしょう)」と問うように、聖武を山人、つまり仙人なのではないかと切り返しているのである。天皇を「現つ神」と称えていた時代に、天皇はまた仙人にも喩えられていたのである。
執筆者 辰巳正明