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万葉神事語辞典


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項目名 みちのくま
表記 道の隈
Title
Michinokuma
テキスト内容 道が折れ曲がっているところ。万葉集では、旅は苦しいものとされる旅の歌に多い。旅の苦しさは、大伴君熊凝の歌(5-886~891)に歌われており、「道の隈廻に 草手折り 柴取り敷きて」(5-886)食べ物もなく、看取られることもなく死ぬ。そこが道の隈である。また、「道の隈廻に標結へわが背」(2-115)と、標を結う所でもあった。標は、占有や神の宿りを示し、また道標ともする。115は、標から先へ行くことを禁ずる標で占有の境界を示す。道の角・隅など、境界をなすところには、道神がいると考えられた。「玉鉾の道の神たち賂はせむ」(17-4009)とあり、賂は幣を捧げることで、それによって旅の無事を祈った。18-4008に「礪波山 手向の神に 幣奉り 我が乞ひ禱まく」とあるから、峠で幣を奉り、道の神に幣を奉って旅をする。そして、道の隈でも道の神に旅の安全を祈ったと考えられる。旅の辛さは、次のように歌われている。「山の際に い隠るまで 道の隈 い積るまで つばらにも 見つつ行かむを」(1-17)、「道の隈 八十隈ごとに 嘆きつつ 我が過ぎ行けば」(13-3240)。道の隈での嘆きは、道の隈にいるとされる神への嘆きと考えられる。
執筆者 阿部誠文