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万葉神事語辞典


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項目名 みずがき
項目名(旧かな) みづがき
表記 瑞籬
Title
Mizugaki
テキスト内容 在る場所を神聖なものとして区画する垣。神社や皇居、また神事を行う場所の垣をさす。『和名抄』に「瑞籬俗云美豆加岐、《一云以賀岐》」とある。いかきは斎垣で、神聖なものを祭りこめ、斎み清めた垣である。万葉集に「瑞垣の 久しき時ゆ 恋すれば 我が帯緩ふ 朝夕ごとに」(13-3262)とあり、「瑞垣の」は「久し」にかかる枕詞として用いられている。このことから、瑞籬は色の変わらない常緑樹で作られていたと考えられる。他の歌では「娘子らが 袖布留山の 瑞垣の 久しき時ゆ 思ひき我は」(4-501)、「娘子らを 袖布留山の 瑞垣の 久しき時ゆ 思ひけれ我は」(11-2415)がある。ともに、石上神宮の瑞垣を歌っており、年を経ても変わらない物の比喩になっていると同時に「久しき」を起こしている。また、「ちはやぶる神の斎垣も越えぬべし今がわが名の惜しけくもなし」(11-2663)からすれば、斎垣は、神聖にして犯すべからざるものであり、瑞籬も同様と考えられる。他の文献に次のように見える。「大倭志紀(しき)の弥豆垣(みかづき)の宮に」(阿波国の風土記、逸文)、「師木の水垣宮に坐して」(崇神記)、「師木の玉垣宮」(垂仁記)、「都を磯城に遷したまふ。是(こ)を瑞籬宮と謂ふ」(崇神紀)とある。皇居を瑞籬宮、玉垣宮という例である。
執筆者 阿部誠文