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万葉神事語辞典


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項目名 みかさ
表記 三笠
Title
Mikasa
テキスト内容 奈良市東方の春日山前方の地で、御蓋山(283m)がある。花や月の名所。平城京遷都以後に多く詠まれるようになる。山部赤人は春日野に登り「春日を 春日の山の 高座の 三笠の山に 朝去らず 雲ゐたなびき」(3-372)と詠んでいる。三笠山には「高座の」という枕詞が付くのは、高座が天皇の玉座であり、その玉座には天蓋(笠)が覆うことから、「高座の三笠」と続いた。山容が、天蓋に似ていることによる。それゆえに「大君の三笠の山の黄葉は今日の時雨に散りか過ぎなむ」(8-1554)のように、天皇へ差し掛ける御笠へと容易に結び付いている。また、この歌のように三笠山はモミジの名所であって「時雨の雨間なくし降れば三笠山木末あまねく色づきにけり」(8-1553)のように、時雨が降ると美しくモミチする山として詠まれている。また「春日なる三笠の山に月も出でぬかも 佐紀山に咲ける桜の花の見ゆべく」(10-1887)や、「春日なる 三笠の山に 月の舟出づ みやびをの 飲む酒坏に 影に見えつつ」(7-1295)のように、月の名所でもあった。周辺には、皇子たちの別荘が置かれていた。
執筆者 辰巳正明