國學院大學
國學院大學デジタルミュージアム

万葉神事語辞典


はじめに    ≫凡例    ≫項目執筆者一覧    ≫収録項目一覧

詳細表示 (Complete Article)

項目名 まきむく
表記 巻向・纒向
Title
Makimuku
テキスト内容 奈良県桜井市穴師(あなし)を中心とする一帯。記紀に、垂仁天皇の纏向珠城(たまき)宮、景行天皇の纏向日代(ひしろ)宮があったと伝えられる地でもある。三輪山北部から北東部の巻向川・痛足(あなし)(穴師)川・巻向山・弓月が岳など、巻向の山川をよんだ歌は、万葉集に十数首みられる。ほとんどが柿本朝臣人麻呂歌集の非略体歌(ひりゃくたいか)(助辞表記のある歌)。「雲を詠む」と題された2首(7-1087、1088)は、川波が高まるので、巻向の弓月が岳に雲が立ち上っているだろうと、雨の気配を感じ取った歌。「巻向歌群」と称されるこの2首を含む人麻呂歌集の15首は、巻向の自然を情景描写した秀歌が多い。その自然詠は、霊威の表出をうたう土地讃(ぼ)めの歌から、無常感をよんだもの、自然の推移を捉えたものまで多彩である。人麻呂の自作と考えられており、巻向の地に関わりの深い境遇だったと想像される。箸墓古墳を含む纏向遺跡は、三輪山の北西麓一帯に広がる弥生時代末期から古墳時代前期の遺跡群で、竪穴住居は少なく、掘立柱建物跡や排水施設遺構、水路、各地から移入された土器などが検出されており、邪馬台国畿内説の最有力候補地。
執筆者 田中夏陽子
クリックすると画像を拡大表示します

巻向山