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万葉神事語辞典


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項目名 はるがすみ
表記 春霞
Title
Harugasumi
テキスト内容 ①春に立つ霞。②地名「春日」に掛かる枕詞。③井に掛かる枕詞。①は春の景物として「たなびく」「立つ」などが後に続き、「春霞たなびく時に」(4-789)、「春霞立ちにし日より」(10-1910)のように詠まれる例が多い。また、高天原から地上に天降った多くの神々の時から語り継がれてきた神奈備の三諸の山の情景として「神奈備の三諸の山は春されば春霞立ち」(12-3227)と詠まれている。特に、香具山にかかる霞は「ひさかたの天の香具山この夕霞たなびく春立つらしも」(10-1812)と詠まれ、香具山は東方の山で、春を象徴し、その山に霞がかかれば、春の到来を意味した。古くは、神聖な香具山が春を知らせる山であり、その春は霞によって示された。②は同音の繰り返しで、地名の「春日」に掛かる。③は霞がかかっている状態を「霞が居る」という意で、「居る」の「居」と同音の「井」に掛かる。「春霞井の上ゆ直に」(7-1256)に1例みられる。
執筆者 宮本緑