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万葉神事語辞典


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項目名 はまゆふ
表記 浜木綿
Title
Hamayufu
テキスト内容 ヒガンバナ科の常緑多年草で、ハマオモトの古名。夏に白い花をつけ、葉の根元がオモトのように重なり合って茎状に見える。「木綿」とは、神をまつる際に木綿を樹に垂らしてつけたもの。また、神に奉る幣帛を木綿という。ハマユフは茎のように見える葉の白い柄による名とも、木綿垂(しで)をたらしたかのように咲く花による名ともいわれる。万葉集においては柿本人麻呂の歌1首のみに、み熊野の浦に咲く「浜木綿」のように、私は幾重にもあなたを思っているが、直に逢うことはできない、とよまれている(4-496)。浜木綿の「百重なす」さまを恋心にたとえているが、それは浜木綿の葉が幾重にも重なっているからとも、群生しているからともいわれる。ここで浜木綿の咲く地は「み熊野」とあり、神のものを表わすミという接頭語が冠せられた神聖な土地であり、はまゆふが幣帛のごとく真白に咲いた状態に神聖さを感じとっているのである。
執筆者 渡邊明子