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万葉神事語辞典


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項目名 てら
表記
Title
Tera
テキスト内容 聖武天皇は諸国に国分寺・国分尼寺の造営を命じ、東大寺大仏の開眼会を行った。このように、仏教は鎮護国家の思想によって日本に定着して、中国唐代の文化の影響も受けて、仏教建築が発展した。上代の寺で著名なものは、飛鳥寺・四天王寺・法隆寺などであるが、これら氏寺寺院の建立目的は一族の栄達、繁栄を祈ったり、病気平癒や先祖の冥福、追善を祈ったりしたものである。万葉集には「近江志賀山寺」(2-115)、「筑紫観世音寺」(3-336、391)、「元興寺」(6-992、1018、)、「豊浦寺」(8-1558、1559 )、「東大寺」(18-4085)の名がみえる。笠女郎が大伴家持に、思ってもくれない人を思うのは「大寺の餓鬼」(4-0608)のそれも後ろから最敬礼するようなものだという片思いの空しさを詠んだ歌を贈っているが、大寺とは国家の経済的援助によって経営される寺院の総称であり、餓鬼とは餓鬼道に堕ちた亡者のことである。また、「橘の寺の長屋」(16-3822)に私が連れ込んで寝た子はもう髪を結い上げたことだろうかと歌う古歌があり、その左注には椎野連長年が寺院の建物は俗人の寝るべきところではないと述べていて、修正を試みた「橘の照れる長屋」(16-3840)の歌を次に載せている。他、「寺寺の女餓鬼」(19-4143)や「寺井」に寺が用いられているのみである。  
執筆者 大脇由紀子
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川原寺跡