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万葉神事語辞典


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項目名 つくばね
表記 筑波嶺
Title
Tsukubane
テキスト内容 山名。茨城県の筑波・新治・真壁の三郡にまたがる山。山頂は女体・男体の二峰に分かれ山頂には筑波神社が祀られる。記の「新治 筑波を過ぎて 幾夜か寝つる」(25番歌謡)という片歌による問答は、倭建命の東征においてアヅマ一帯を「言向け」したことを確認するものである。また常陸国風土記筑波郡の条では、五穀を神に奉る新嘗祭の神の来訪譚において、富士の神が宿泊を拒絶したことにより年中雪が積もり、一方筑波の神は外来者を款待することにより、筑波山の繁栄を讃える伝承を伝える。続いて青年男女が歌舞飲食し、婚姻の相手を探す歌垣の習俗が記述される。歌垣の行事は上代文献において散見されるが、万葉集においても高橋虫麿の歌に「筑波嶺に登りて?歌会を為る日に作る歌」(9-1759~60)とあり筑波山における歌垣の様子を伝える。一方巻14の東歌や巻20の防人歌に「筑波嶺」「筑波の山」「小筑波」のように見える。また「鶏が鳴く 東の国に 高山は さはにあれども 二神の 貴き山の 並み立ちの 見が欲し山と 神代より 人の言ひ継ぎ」(3-382)とあり、筑波の岳は神代の昔から男女二神が鎮座する貴い山であり、農作物の豊穣を予祝する国見の儀礼を行うのだという。→かがい
執筆者 鈴木道代