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万葉神事語辞典


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項目名 たましま
表記 玉島
Title
Tamashima
テキスト内容 佐賀県東松浦郡浜玉町付近。集中の大伴旅人の「松浦河に遊ぶ序」(5-853序)に、たまたま松浦地方に行って玉島の潭にたって遊覧すると、鮎を釣る少女たちに出会い、互いに歌を贈答したことがみえる。この少女たちは玉島の川の上流に住まい、神仙の女に見立てられている。土佐国風土記逸文には、神功皇后がこの島で白い石を拾って「これは海神がくださった玉だ」といったことから、玉島としたと伝える。また記紀、肥前国風土記には神功皇后が鮎釣りをした場所として伝えられている。さらに紀では、神功皇后が三韓を征伐するにあたり、玉島の里の小川で釣り針を投げて祈誓し、「事が成就するならば河の魚よ、釣り針を呑め」といったところ鮎が獲れたと記されている。このように、玉島の川は神功皇后が吉凶を占う、神意を問う場として伝えられて、玉島は古来占いなどの神事が行われた土地であることが知られる。それが旅人の『神仙伝』へと発展した。また、その国の女たちは4月上旬になるたびに釣り針を河中に投げ入れて鮎を捕る習わしが伝わっているという。
執筆者 曹咏梅