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万葉神事語辞典


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項目名 たけとりのおきな
表記 竹取の翁
Title
Taketorinookina
テキスト内容 野山に入って竹を取り、細工を施すことを生業としている老人。階層的には下層民に属するが、下層民ゆえに異世界の不思議な存在と接触しうるという発想が存在したものと見え、『竹取物語』においても、異世界から来たかぐや姫を発見する役として登場する。かぐや姫を主人公とする物語が『竹取物語』と呼ばれるのも、竹取の翁が持つ不思議な世界をたぐり寄せる力ゆえであろう。万葉集には、巻16に竹取の翁と9人の仙女が歌ったとされる歌が載せられている。3月のとある日に翁が丘に登って望見していると、9人の仙女に出会い、仙女たちにからかわれて、歌を歌う。仙女たちは翁の歌に感動し、翁に心を寄せるという筋立てで、後の竹取物語のストーリーとは全く関係しないが、竹取の翁が不思議な存在と接触するという要素だけは共通している。同様の発想は、同じく下層民であった海人(漁師)が海神の世界に赴く「浦嶋子」の伝説にも見られる。
執筆者 大浦誠士