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万葉神事語辞典


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項目名 たかたま
表記 竹玉
Title
Takatama
テキスト内容 ①細竹そのものを切って玉状にしたもの。②管玉(くだたま)が竹管に似ていることから、それを竹玉と称した。①については、古く琉球の女性が竹管を首飾りとしていたこと。また上州甘楽郡尾沢村星尾の十二社宮内の産泰神社に奉掲する竹玉が、祈願者の年齢の数だけ竹を切って連ねたものであると伝えられる。陰陽家の祭りでは、竹を玉のように刻んで神供の中にかけて飾ることがあった(『仙覚註釈』)と紹介され、また『釈注』では「神霊を憑(と)り付かせるための具か」とされる。②については、竹製の価値の低いものが祭祀に用いられることに疑問を抱く『私注』が、「ただの青竹とは思われぬ。管玉(くだたま)の一種ではあるまいか」と述べ、『攷証』は古墳から出土した緑色の管玉(くだたま)が長さ5、6分ほどのものであり、管のようなものが密集してつなげられ、それが裕福さを証明するきっかけとなったと説明する。『釈注』も「竹の輪切りに似た小円筒状の管玉」とする。竹玉は細い竹を切り取った形状で竹に似ていることからこの名称がついたと考えられ、祭祀遺跡の実際の発見遺品から、竹に似た物質形状を有する玉である例が顕著に認められる。万葉集では祭事の具体的行動として「齋瓮(いはひへ)を 齋ひ掘り据ゑ 竹玉(たかたま)を しじに貫き垂れ」(3-379)の句が見られ、石田王(いはたのおほきみ)の卒(みまか)りし時に丹生王(にふのおほきみ)の挽歌にも「枕辺(まくらへ)に 斎瓮(いはへ)を据(す)ゑ 竹玉を 間なく貫(ぬ)き垂(た)れ」(3-420)と見える。また太政官符には「竹玉弐枚直稲参把肆分」(天平10年7月11日「筑後国正税帳」)と記され、竹玉1個の値段が精米約1キロに相当するものであり(『新編』)、神事の中で用いるのにふさわしい価値を有していたことを示している。三宅米吉『以文會筆記抄』(雄山閣)。
斎藤忠『日本考古学研究1 古典と考古学』(学生社)。鳥居龍蔵「琉球諸島女子現用のはけだま及び地方掘出の曲玉」『東京人類学界雑』誌9巻96号)。大場磐雄「万葉集の考古学的考察」『大場磐雄著作集 第五巻』「古典と考古学」(雄山閣)。
執筆者 阿部りか