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万葉神事語辞典


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項目名 たかしらす
表記 高知す
Title
Takashirasu
テキスト内容 高大に建造する。高大に統治する。記の神代に「於高天原氷椽多迦斯理」「於高天原氷木多迦斯理」としてあらわれ、「高天原」に「氷木(千木)」を高くそびえさせるの意として、両例とも大国主神の住居の高大さに用いられる。前者は須佐之男命が、大国主神の葦原中国の支配者としての権威を保障する発話であり、これを受けて大国主神が「始めて国を作りき」とされる。後者は、大国主神が天神御子に葦原中国を献上するに際し、自身の住居を天神御子の「天之御巣」のごとく作り、祭らせることを求める表現に用いられる。万葉集では、「藤原宮」(1-50)や「吉野の宮」(6-923、6-1005)、「布当宮」(6-1053)などの、宮の高大さの形容に用いられる例や、間投助詞「や」を伴って「高知るや」の形で、「天の御陰」にかかる枕詞としても用いられ、同様に宮殿の高大さを示す語である。これは、宮の賛美によってそこに住む支配者の天皇を賛美し、その際に神代における神の宮の表現を用いることで、尊さを示す表現であると考えられる。記においては大国主神に限定されて用いられ、葦原中国の支配権を献上した後の宮の表現にも用いられている点から、「高大に統治する」の意をもつということには疑問もあるが、万葉集では「天の下知らす」の語と併用されているものもあり(6-1053)、また、祝詞にも「高知る」の形で多く天皇の統治に際する表現として用いられている点から、宮への賛美は、統治への讃美と密接に関連していると考えられる。
執筆者 坂根誠