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万葉神事語辞典


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項目名
表記
Title
Se
テキスト内容 川や海で浅くて流れが速い所。滝となって落下する激流をもいう。浅瀬は徒渉地点に選ばれた。「天の川去年の渡りでうつろへば川瀬を踏むに夜そふけにける」(10-2018)は浅瀬を求め渡るのに手間取り夜が更けてしまったのだと逢瀬の相手織女かに対して言い訳気味に詠み、「千鳥鳴く佐保の川門の瀬を広み打橋渡す汝が来と思へば」(4-528)は川瀬が広いのであなたが来られるように橋だって作りましょうと詠む。また、瀬はその清らかさが詠まれる場合がある。「久邇の新しき京を讃めたる歌」では「山高く川の瀬清し百世まで神しみ行かむ大宮所」(6-1052)と聖武天皇の治める大宮所の永遠性を川の瀬の清さと重ね合わせている。この後ろに配される「泉川行く瀬の水の絶えばこそ大宮所うつろひ行かめ」(6-1054)でもこの瀬の水の絶えることがあるならば、この大宮所もさびれることがあろう、というように大宮所と瀬とが永遠性という点で重ね合わされて詠われる。養老の滝がある美濃国の多芸の行宮で大伴東人が詠んだ「古ゆ人の言ひ来る老人のをつといふ水そ名に負ふ滝の瀬」(6-1034)では若返りの水としての滝の瀬が詠まれる。
執筆者 荒木優也