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万葉神事語辞典


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項目名 しらなみ
表記 白波
Title
Shiranami
テキスト内容 波頭が泡立って白く見える波のこと。白く砕ける波。「海の底沖つ白波竜田山いつか越えなむ妹があたり見む」(1-83)の場合、海の底沖つ白波で竜田山のタツを起こす序詞として機能している。白波は海に限らず「天の川白波高し我が恋ふる君が舟出は今しすらしも」(10-2061)、「雷のごと聞こゆる滝の白波の面知る君が見えぬこのころ」(10-3015)のように、川や滝にもある。また「しらなみの」となると枕詞となり、「隠り沼の下ゆ恋ひ余り白波のいちしろく出でぬ人の知るべく」(12-3023)では、その鮮明な印象から「いちしろし」にかかり、「白波の浜松が枝の手向くさ幾代までにか年の経ぬらむ」(1-34)では打ち寄せる浜の意から「浜」にかかる。他に岸に打ち寄せる意から「寄る」、沫立つので「みなあわ」にかかるとされる。波は水界の霊威を運ぶものとも考えられており、常世から打ち寄せる物とも考えられていた。乱れた状態を示す「さわく」と合わさり、「白波騒く」となると、波の霊威がその場に発動している状態をさす。
執筆者 渡辺卓