國學院大學
國學院大學デジタルミュージアム

万葉神事語辞典


はじめに    ≫凡例    ≫項目執筆者一覧    ≫収録項目一覧

詳細表示 (Complete Article)

項目名 しらたま
表記 白玉
Title
Shiratama
テキスト内容 白い玉。主として真珠をさしていう。装身具として珍重され、穴をあけ、緒に通して手などに巻いた。「赤玉は緒さえ光れど斯良多麻(しらたま)の君が装ひし貴くありけり」(記歌謡7)「海の底沈く白玉風吹きて海は荒るとも取らずは止まじ」(7-1317)、また、真珠の比喩表現として立派なこと、大事なものにたとえることも多い。「世の人の 尊び願ふ 七種の 宝も我は 何せむに 我が中の 生まれ出でたる 白玉の 我が子古日は」(5-904)の宝は、『法華経』授記品によれば金・銀・瑠璃・硨磲・瑪瑙・真珠・玫瑰の七種の宝とされているが、この歌では、愛児を白玉にたとえている。「白珠は人に知らえず知らずともよし」(6-1018)は自分自身の才能、「海神の 持てる白玉 見まく欲り」(7-1302)は得難く尊い女性を、7-1317~1320の玉に寄する歌は深窓の美女を真珠にたとえている。19-4170では「白玉の見が欲し君を見ず久に鄙にし居れば生けるともなし」と尊い母の姿を白玉にたとえている。白玉は海底にある海神の宝でもあるため得難く、そのため貴いものにたとえられるのである。
執筆者 渡辺卓