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万葉神事語辞典


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項目名 さぶ
項目名(旧かな) さぶ
Title
Sabu
テキスト内容  ①そのものらしい状態になることをいう。②心が楽しまずすさんでいく意。①は2-96に「うま人さびて否と言はむかも」とあり、信濃の真弓を引くようにあなたの心を引いたなら、あなたは貴人らしく嫌というだろうかと解される。「世間の住(とどま)り難きを哀しびたる歌一首并せて序」(5-804)には「娘子らが娘子さびすと」「ますらをの壮士さびすと」とあり、少女らが少女らしく唐玉を手首に纏い、男子が男らしく剣太刀を腰に帯び弓を持って馬にまたがることが詠まれる。他に「神さび(ぶ)」の語が見られ、神らしい状態即ち神々しい様をいう。神代記には、須佐之男命が天照大御神との「うけひ」における勝ちを宣言して「勝ちさび」する記述がある。田の畔を壊し、溝を埋め、天の斑馬の皮を剥いで忌服屋に投げ入れるなどの勝ちに乗じた行為を指して記される。②は「朝夕にさびつつ居らむ」(4-572)とあり、鏡のように見飽きない君からあとに残されて、朝夕に寂しく暮らすのだろうかと解される。また、「さぶしく」(5-795、16-3863、17-3962、18-4106)「さぶしさ」(12-2914、13-3226、15-3734)の語がみられ、遠方に近親者を思う寂しさが表現される。
執筆者 舟木勇治