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万葉神事語辞典


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項目名 ことはかり
表記 事計
Title
Kotohakari
テキスト内容 計画、手だて。天智紀では、策略をめぐらす要所を「事機(ことはかり)の要(ぬみ)とする所」と呼んでいる。万葉集では、恋に関する「事計」が詠まれる。大伴大嬢が坂上郎女へ贈った相聞歌風の歌(4-756)には、離れていると恋心が募って苦しいので、ずっと一緒に居ることのできる手だてを考えて下さい、とあり、恋人と会うための手段が求められている。巻12では、こうして逢っている時くらい、息の詰まりそうな恋の苦しさを止める手だてが欲しい(12-2949)と、恋の苦しさを歌っている。いずれも、現状の恋の不満を解消するための手だてが、「事計」と詠まれている。恋を成就させる手だてを求め、人は時に人知を越えた存在にすがることもある。巻13には、永遠に一夜も欠けず無事に通えるような手だてを、夢にお示し下さい、大切にお祭りしてきた神でいらっしゃるからには(13-3227)と、手だてを、神に求める歌も存在している。なかなか解決できないような現状を打開するには、神にすがって、手だてを与えてもらうしかないとの思いが読み取れる。
執筆者 倉住薫