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万葉神事語辞典


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項目名 かみぞつく
表記 神ぞつく
Title
Kamizotsuku
テキスト内容 「つく」は①付着する、②到着する、③従うの意。『新撰字鏡』には「託《寄也》」とあり、「つく」の語には④神やものがのり移る、よりつく意が本来的に含まれていた。「神ぞつく」とは神がよりつく意であり、万葉集では、大伴家持が巨勢郎女をふ時の歌には「玉葛実成らぬ木にはちはやぶる神そつくといふ成らぬ木ごとに」(2-101)とあり、恋が実らない相手を実のならない木にたとえ、その木には神がよりつくことを詠み、相手を脅している。神がつくことが脅しになり得ることの背後には、神がついた女性は人として恋愛の対象とならないという習俗が存在している。また、佐伯赤麻呂と娘子の贈報歌には「春日野に粟蒔けりせば鹿待ちに継ぎて行かましを社し恨めし」(3-405)「我が祭る神にはあらずますらをにつきたる神そよく祭るべし」(3-406)とあり、「社」の神は「ますらを」つまり、赤麻呂によりついた神とされ、これが赤麻呂の妻を指していることは明らかである。ますらをにつく神は嫉妬深く、祀るべき神であり、神の性質の一面を表現している。
執筆者 城﨑陽子