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万葉神事語辞典


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項目名 かばね
表記
Title
Kabane
テキスト内容 死骸。死体。遺体。亡骸。むくろ。上代語では、遺骨をも含めて指す。紀には「尸」「柩」字に宛てる例もあり、『霊異記』は「屍骸」を「死ニカハネ」と訓む。万葉集において歌に詠まれるのは、大伴家持「陸奥国に金を出だす詔書を賀く歌」における「海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍」(18-4094)2例のみで、他は題詞・左注に7例みられる。家持は、749(天平感宝元・天平勝宝元)年発布の第13詔(『続日本紀』所収)において聖武天皇が、当該句を大伴氏に言い継がれてきた言立てとして代々の忠節を讃えたことを踏まえ、それを詠み込むことにより、天皇へのさらなる忠誠を誓うことを一族を代表して歌う。題詞・左注では、大津皇子に関する大伯皇女作歌(2-165、166)、松原娘子を詠む河辺宮人作歌(2-228、229、3-434~437)、調使首作歌(13-3339~3343)の他、大伴坂上郎女による尼理願を悼む挽歌の左注には「屍柩」の語がある(3-461、462)。なお、養老喪葬令・皇都条は、皇都や道路の傍に屍を埋めることを禁じており、養老軍防令・防人番還条は、防人が死亡した場合の扱いを定めている。
執筆者 小林真美