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万葉神事語辞典


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項目名 おがき
項目名(旧かな) をがき
表記 男餓鬼
Title
Ogaki
テキスト内容 男の餓鬼。「餓鬼」とは、逝去者の意の梵語pretaの訳語で、生前犯した罪の報いによって餓鬼道に落ちた亡者を指す。『和名抄』に「内典云、餓鬼、和名加岐…(中略)…其喉如針、不得飲水、見水即変成火」とある。喉が針のように細く、水を飲もうとするとたちまち火に変わるため、飲食できず、常に飢えと渇きとに苦しむという。「男餓鬼」とするのは、これを詠んだ万葉歌が、痩身の大神奥守という人物を、同じく骨と皮ばかりで腹の出た「女餓鬼」を孕ませる「男餓鬼」として揶揄した歌(16-3840)だからであり、通常、性別が問われることはない。餓鬼の如き漢語をよむことは万葉集全体を見渡してもめずらしく、餓鬼の語の意味内容や響きの与える違和感が斬新な表現として好まれたものと考えられる。『全注』は、『俊頼髄脳』がこれらの歌をひいて「大寺のかくゐ」や「めかくゐ」と記していることから、「がき」の「き」の音は、平安後期まで乙類キ音に相当する「クィ」のような字音で発音されていたのだろうと推定している。他に、万葉集巻4にも「大寺の餓鬼」を詠んだ歌がある(4-608)。
執筆者 新沢典子