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万葉神事語辞典


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項目名 うまひと
表記 賓客
Title
Umahito
テキスト内容 貴人。身分、家柄のよい人。ウマは形容詞ウマシの語幹である。紀では、神功皇后元年3月条の歌謡と仁徳22年1月条の歌謡に出てくる言葉である。また顕宗即位前紀の「君人」、欽明21年9月条の「良家人」をウマヒトノコと訓む説もある。万葉集には2例あり、まず「うま人さびて」(2-96)は貴人ぶっての意である。また5-853は、「魚を採る漁師の子だとあなた方はおっしゃるが、貴人(ウマヒト)の子であると分かりました」という内容の歌だが、この歌には「松浦川に遊ぶ序」という序がある。この序では、ある男性が松浦の地を遊覧していたところ、類無き美女達に遇い「あなた達は神仙(仙女)ではないのか」と問うたと書かれている。つまり5-853のウマヒトは美女達を指し、序の神仙(仙女)に対応している。またこの序は『遊仙窟(ゆうせんくつ)』を模倣して作られたとされており、美女達には『遊仙窟』の仙女達の姿が投影されている。ちなみにこの序の中の「貴客」をウマヒトと訓む説もあるが、美女達ではなく男性を指す言葉であるため、区別してマラヒトと読むべきであろう。
執筆者 山﨑かおり