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万葉神事語辞典


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項目名 うのはな
表記 卯の花
Title
Unohana
テキスト内容 ユキノシタ科の落葉低木。初夏に白色の花をつける。ウツギ。ウツギという名は上代の文献にはみられず、卯の花として見える。卯月(旧暦4月)に咲くから「卯の花」という説も根強いが、万葉集に「卯の花月夜」(10-1953)「卯の花の咲く月立ちぬ」(10-4066)「卯の花の咲く月立てば」(18-4089)とあるように、卯の花が咲く月だから卯月だと考えていた。卯の花の語源は未詳。ウツギの名は木幹が中空であるところから「空木」と呼ばれていた。日本の山野に自生し、高さ1.5メ-トル位、樹皮は次々とはげ、若い枝には小さな星のような毛がある。皮針形でざらざらしている。5、6月ごろ五弁の白い花を多く咲かせる。卯の花は万葉の古い時代には見えず、殆どの作品が奈良朝に入って季節鳥のホトトギスと取り合わせて詠まれている。「ホトトギス卯の花辺から鳴きて超え来ぬ」(10-1945)と、ホトトギスは卯の花の辺りから鳴いて超えて来たと詠み、卯の花が咲けばホトトギスが鳴き始める卯の花の季節だという。「ホトトギス」と「卯の花」は初夏という季節に結びついて24首中、18首がホトトギスと取り合わせている。卯の花が咲くときに長雨が降り、卯の花が早く腐ると困るところから「卯の花腐(くた)し」、(10-1899)「卯の花を腐(くた)す霖雨(ながあめ)の」(19-4217)のようにも詠まれている。卯の花は農事の開始を告げる花であり、その花の咲き具合に大きな関心を抱き、秋の稔りを占う気持ちがあったのであろう。卯月に入ると田植え祭りの前に物忌みが始まる。住吉大社には「卯の葉の神事」が伝えられる、大社の創立が、神功皇后摂政11年辛卯(かのとう)年の卯月上の卯の日であるという伝承により行われているものである。現在では、5月初めの卯の日に卯の花の玉串を神前に捧げ、石舞台で卯の花のかんざしをさして舞楽が奉納されているが、江戸時代は、「四月卯之日神事」として、盛大に行われていたという。
執筆者 金熙淑
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卯の花