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万葉神事語辞典


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項目名 うつせみ
表記 現せみ
Title
Utsusemi
テキスト内容 ①この世に生きている人。②現世、この世、人の世。万葉集(上代)には①と②の意味しかないが、後世は蝉や蝉の抜け殻の意にも用いられ、虚しいものというニュアンスを持つようになった。ウツソミとも言う。ウツセミの語源は定かではないが、記の雄略天皇条に見えるウツシオミという言葉が語源であるとする説がほぼ通説化している。このウツシオミとは、雄略天皇が人の姿で現れた葛城の一言主の大神に対し、「ウツシオミであるので神であると気付かなかった」と発言したもの。このウツシを「現」とすることは諸説一致するが、オミの意味については、臣の語をあてる説があるものの確定していない。万葉集におけるウツセミを見ると、神の世でも妻争いをするのだからウツセミ(現世)でも妻争いをするのだという歌(1-13)、ウツセミ(この世の人)は神に逆らえないとする歌(2-150)がある。またウツソミ(この世の人)だと思っていたのに亡くなってしまったとする歌(2-210、2-213等)もある。ウツセミは、神の世界、もしくは死の世界との対比において用いられることが多い言葉である。
執筆者 山﨑かおり