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万葉神事語辞典


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項目名 いかづち
表記
Title
Ikazuchi
テキスト内容 かみなり。地名としては奈良県高市郡明日香村の雷の丘。記紀では黄泉国における伊耶那美命の身体に、「大雷」「火雷」「黒雷」「若雷」「拆雷」「土雷」「鳴雷」「伏雷」が成っていたといい、「八雷神」と呼ばれている。雷の神格化であり、畏怖すべき獰猛な存在として描かれている。また、記における建御雷神を雷の神格化と見るならば、国譲り、及び神武東征における布都御魂の下賜などの行動から、地上に神威を及ぼす力の象徴としての雷の意義をみることが出来る。紀の雄略条においては、三輪山の大物主神が蛇の姿で捕らえられ、雷を起こす存在としてあらわれる点などから、蛇神と雷神さらに水神との関連が説かれている。また、この蛇に雷と名を賜うという記事を、雷丘の起源とする解釈も存する。万葉集では、服従しない国の平定へと向かう高市皇子の、軍勢を率いる様子を「斉ふる 鼓の音は 雷の 声と聞くまで」(2-199)と喩え、天皇の命令の遂行者を、威力を有する雷によって表現しているものや、人麻呂が持統天皇を、「天雲の雷の上に廬らせるかも」(3-235)と詠む例を鑑みると、神威の基である神と、その地上へのあらわれとしての威力である雷という記紀の意識は、万葉集においても窺うことが出来る。
執筆者 坂根誠
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雷山