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項目名 | あめのつゆじも |
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表記 | 天(之)露霜 |
Title | Amenotsuyujimo |
テキスト内容 | 用例は2首。ともに夜間に結露する水滴のことを表現している。「ひさかたの天の露霜置きにけり家なる人も待ち恋ひぬらむ」(4-651)にしても、「ぬばたまの我が黒髪に降りなづむ天の露霜取れば消につつ」(7-1116)にしても「露霜」は自然現象であり、「天の」を冠していてもそこに神話的な意味合いをとることは難しい。4-651の上の句は内容的に夜更けを表現するものだが、ここの「天の」は露の降りてくる起点として、降雨の起点と同じ天空を意味するものであろうし、夜更けという時間的距離を天地の空間的距離におきかえようと趣向で用いられた「天の」だろう。7-1116は手にとって見ようとした露の美を称えるものとしての「天の」であって、神話的観想における「天」にまで至っていない。 |
執筆者 | 志水義夫 |
