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万葉神事語辞典


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項目名 あまのみそら
表記 天の御虚
Title
Amanomisora
テキスト内容 「虚(そら)」は、空、空中の意。「御(み)」は畏敬の念を示す接頭語であるから、「天の御虚」は天界の空を指す。万葉集中には山上憶良が、入唐大使多治比広成にむけて詠んだ「好去好来の歌」に、その航路の安全を天地の神、なかでも大和の大国御魂が護ることへの祝意をこめて次のように詠われている1例がある。「天地の 大御神たち 大和の 大国御魂(おほくにみたま) ひさかたの 天のみ空ゆ 天翔り 見渡したまひ」(5-894)。当該例が詠まれた733(天平5)年3月条にはその記述を見ることはできないが、例えば、717(養老元)年2月条には「遣唐使、神祇を蓋山(みかさのやま)の南に祠(まつ)る」とあり、出発に先立っての神祇祭祀が春日山の西麓で行われたことがわかる。「大和の大国御魂」は、奈良県天理市に鎮座する大和(おおやまと)神社の祭神であり、大和朝廷が伊勢神宮を祖神とする以前はこの神がそうであったとする伝承をもっている。いずれにせよ、こうした神々が、入唐使たちを守るために自由に往来する様、あるいはその空間を「天の御虚」と呼んだのである。
執筆者 城﨑陽子