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万葉神事語辞典


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項目名 あしだま
表記 足玉
Title
Ashidama
テキスト内容 万葉集には「足玉も手玉もゆらに」(10-2065)と七夕歌に詠まれる1例があり、この歌が七夕歌の1首であったことから、足玉は織女の装身具であると解される。仁徳紀には「皇女の齎(も)てる足玉(あしだま)・手玉(ただま)をな取(と)りそ」とあり、播磨国風土記讃容郡弥加都岐原の条に「中(なか)に女二人(をみなふたり)あり、玉(たま)を手足(てあし)に纏(ま)けり。」とある。「ゆらに」は、「巻き持てる小鈴もゆらに」(13-3223)とあるように、玉をゆらす様をいう。記にも天照大御神と須佐之男命とのウケヒの場面に、「先(ま)づ建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと)の佩(は)ける十拳(とつか)の剣(つるぎ)を乞(こ)ひ度(わ)して、三段(みきだ)に打(う)ち折(を)りて、ぬなとももゆらに天(あめ)の真名井(まなゐ)に振(ふ)り滌(すす)ぎて…(中略)…天照大御神(あまてらすおほみかみ)の左(ひだり)の御みづらに纏(ま)ける八尺(やさか)の勾璁(まがたま)の五百津(いほつ)のみすまるの珠(たま)を乞(こ)ひ度(わた)して、ぬなとももゆらに天(あめ)の真名井(まなゐ)に振(ふ)り滌(すす)ぎて」とある。「ゆら」は単にゆらすだけでなく、ゆらすことによって、玉そのものに内在する霊威を増す意を持ち、この所作が、ウケヒにおける一連の呪術であることを示している。こうした所作を経てウケヒが行われたことを考えると、足玉も手玉も祭儀用の装飾品としてだけではない、玉そのものに込められた霊威の存在をそこに見い出さねばならない。
執筆者 城﨑陽子