國學院大學
國學院大學デジタルミュージアム

万葉神事語辞典


はじめに    ≫凡例    ≫項目執筆者一覧    ≫収録項目一覧

詳細表示 (Complete Article)

項目名 あおはたの
項目名(旧かな) あをはたの
表記 青旗の
Title
Aohatano
テキスト内容 枕詞。小幡・葛城山・忍坂の山にかかる。青は山の色。旗ははためくもので、そのように山並みがなびいている様。挽歌に「青旗の木幡の上をかよふとは目には見れども直に逢はぬかも」(2-148)、「隠口の 長谷の山の 青旗の 忍坂の山は 走り出の 宜しき山の 出立ちの 妙しき山ぞ あたらしき 山の 荒れまく惜しも」(13-3331)とある。最初の歌は天智天皇の危篤の時の倭大后の歌であり、天皇の魂が木幡の上を通うのだという。木幡は木旗であり、木幡山の幡へと掛かる。2首目は忍坂山の形容である。また、「慰もる 情もありやと 家のあたり わが立ち見れば 青旗の 葛城山に たなびける 白雲隠る」(4-509)は、故郷を偲ばせる葛城山である。これらの用例から見ると、挽歌に2例見られ「青旗の」は、霊魂を呼び寄せる枕詞と見られる。葛城山に掛かるのも懐かしい故郷へ霊魂を馳せるからであろう。
執筆者 辰巳正明